僕は、羊で、スパイス焼肉の世界に触れる「 神田ヂンギス王」(東京・神田)

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唐辛子を。

タレに満たして。

焼き上げたラムを。

スパイシータレで泳がせて。

噛みしめるとこれが旨い。みんながにこやかに食事にハマれる、世界平和のために必要な味です。

神田でF1サフォークラムがいただけるジンギスカン店。それが

神田ヂンギス王」です。ごはん先輩に連れて行っていただいたのですが、北海道・旭川の大雪地ビール館大黒屋を感じさせてくれるピュアゴールドな羊肉と再会できて、もう、僕は。

前衛の生ラム(750円)は分厚いのにクセなしフレッシュ。

さわやかな牧草を思わせる心地いい味わいは、いくらでも食べられるという自信につながるもの。カルビに負けがちな年頃になると、羊が大好きになるという伝説は本当だったんだ…。

マトン(750円)の味も全然違う。子供の頃に食べたマトンはケモノ的臭みを思わせるものでしたが、ここのマトンはただただ味が濃厚です。

いや、そういういかにもな薄切り冷凍マトンも好きなのよ! 胡椒を強めにかけてタレにひたひたに漬けて食べると、めっちゃビール進むもの!

でも神田ヂンギス王のマトンのじんわり広がっていく味の深さは、旭川のいいところのジンギスカン屋を思わせるもので、惚れる…。気兼ねなく北海道に行けるようになるまで、神田に通えば大丈夫だ。と確信できるくらいに。

そしてびっくりしたのがF1サフォーク(1000円)です。羊さんのなかに、顔と脚が黒いコがいるじゃないですか。あやつです。初めて食べたんだけど、柔らか&旨味ばっちり!

分厚いのにカンタンに歯で切れますし、噛み締めたときの脂の甘味も濃い。生ラムとマトンのいいとこ取りじゃないですか彼。

そして軽く炙ったくらいで完成の域に達するから、レア好きさんいらっしゃいすぎ。おかわり必須です。

甘口醤油ダレ+ニンニク+唐辛子のスパイスタレがすごい

そんな羊たちを受け止めるのがこちらのタレ。濃厚な甘口の醤油ベースダレに、お好みでニンニクと唐辛子を入れるのですが、お店に連れて行っていただいた方いわく「唐辛子を、タレがねっとりするくらいいっぱい入れるよ美味しいよ。この唐辛子、あまり辛くないやつだから大丈夫」。

えー、そういう食べ方していいんですか。じゃあ早速。と試したところ。

あら! うまいな! これ!

元のタレはなんだろう。ごはんに合わせる味付けだったのかな。羊肉のうまさを支えて、米に美味さを伝える役目。

しかし唐辛子というスパイスが入ることで、がぜん羊肉の主役っぷりが引き立ってきた。ビールで一気に流し込みセイハローだこれ。

もち、ごはんとも合うんですよ。羊肉の脂を落としたこのスパイスタレでおにぎり作ったら名物になるでしょ、と思えるほど。

…いや、いいかも。

もともと焼き肉には塩とか胡椒といったスパイスを使っています。タレにも様々な香辛料が入ってる。でも、近年のスパイスカレーのような、スパイス自身が自己主張するのって、塩で食べるときくらいだったような。

もっともっと、スパイスが「俺が私が」と前にでてきていい。そんな味付けもいいと思えたんですね。神田ヂンギス王の味を堪能して。

思い返してみたら、中華料理の羊串ってスパイスまみれフェスティバル。あれは肉の臭みを取るための方法論ではあるけど、肉の美味さと戦いつつお互いを高めつつ両者が勝利となるスパイス使いはアリですなですよねですですそう決めた。

自分でもなんかできないかな。と思って、淡路島の玉ねぎ塩とか、地方の調味料集めています。いま。羊に限らず他の肉でも、いい組み合わせを見つけたら記事書いてみよ。

アラカルトも豊富ですが、飲み放題ありのコースもあるので、羊肉がお好きな方はぜひ!!!!!

神田ヂンギス王